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当事者もくもく会
FOR 困ってる人

ABOUT 当会

主催は寛解中のうつ病当事者です。

主催のキタハラはうつ病当事者です。2020年現在で発症から3年になります。もともとは朝トイレに行くこともできない、ほとんど寝たきりのセルフネグレクト状態でした。
2年半に近づいた頃、友人に散歩に連れ出され続け、毎日ひとりでも外には出る習慣がついたせいか、ある日突然、気分が晴れ「天気が良いし、外に自転車でサイクリングがしたい」と自然な思いが現れました。それまでは半ばロボットのように散歩へ行っていたのですが、こういう素直な気持ちがでたのは久しぶりだったので、とても驚きました。

それでも、掃除ができない!

それからは毎日、自然な気持ちで外に散歩に出られるようになりました。春の季節で日差しは暖かく、開放されたとてもよい気分だったのを覚えています。
外には自然に出れるようになりました。でも、自室ではどうしても動くことができません。寝たきりではない、3週間に一回だった入浴も毎日できるようになった、朝の洗顔もできる。でも、どうしても自室では机に座ったきりで動けない。部屋は一年以上放置され、酒瓶が散乱しており、掃除機をかけない床は埃とゴミまみれ。布団も敷きっぱなしで、足は増殖した虫に食われて痕だらけでした。

当会は当事者研究コミュニティーの中で生まれました。

当時、私はある当事者研究会に参加していました。
当事者研究とは自分の困りごとを研究対象として自分と切り離して客観化し、参加者と一緒に研究し、パターンや解決法を探そうとするプログラムです。もともとは精神障害者コミュニティーの中で、行われていた手法です。
その当事者研究会では、ONLINEコミュニティーが設けられており、また、コロナ禍で多くの人が家にいて賑わっていたのもあり、困ったときの突発ONLINE当事者研究(始祖においては当事者研究はもともとそういうもの)が多く開催されていました。あまりに動けなくて困っていた私は、そのONLINE当事者研究会をコミュニティーのなかで開催のお願いしました。そして、その中で提案されたのが「ONLINE当事者もくもく会」でした。

動ける!

もくもく会とはもともとはITエンジニアが技術向上のためにカフェやレンタルスペース、または会議アプリを使ってweb上に集まって、各々別々の勉強をする会のことです。
私も当初は知らなかったので「何ですか?それは」という感じでした。
何もわからないまま、なんとなく誘われるままに始めたのですが、いきなり掃除ができるようになって驚愕して狂喜しました。私にとっては奇跡のような出来事でした。それからしばらくは毎日毎日、溜まりに溜まった部屋の汚れを一日中掃除していました。

存続の危機と独立

一番最初の頃、もくもく会はメンバーの都合の良い日の午後に予定を合わせてやっていました。しかし、もくもく会のない日は動けません。それで平日の午後は毎日開くようになりました。でもやはり、もくもく会のない時間は動けない。そのうち午前もやるようになり、1回当りの時間も長くなり、土日も行うようになり、現在の週7日・午前午後の開催になりました。もくもく会の中で、うつ病の再悪化と寛解を繰り返しながら、徐々に徐々に私は回復していきました。
コロナの影響もあり最初の2ヶ月くらいは人が集まっていました。しかし、時が経るに連れ自粛の空気も薄まり、参加者は日常に復帰していくようになると、徐々に人が減っていきました。存続の危機です。
もくもく会が命綱だった私にとっては恐怖の事態でした。それを避けるために参加していた当事者研究会から独自の会を設立しました。ツイッターのアカウントを開設し、広報したところ、数名の方が新たに参加してくださり、存続の危機は何とか脱することができました。

運営も参加もお手軽な会です。

私はこのITエンジニアのライフハックを自助会に転用した「当事者のためのONLINEもくもく会」という形式は「結構いいんじゃないか」と思っています。私は零細自営業を営んでいます。うつ病になる前から、社会に馴染めなかったからです。10年以上ずっとひとりで仕事をしていました。精神的にも不安定で、それが原因で寝込んでしまうことが多々ありました。眠りも自営を始めてからはずっと不安定で、昼夜逆転とトラウマのフラッシュバックを繰り返していました。もくもく会を運営してからは奇跡的に夜に寝て、朝起きる生活をずっと続けています。精神的には未だに不安定ですが、前よりはずっと安定しています。うつ病によるセルフネグレクトはほとんど完全に抜け出せました。私だけではなく参加者の方からも「会に参加してから、生活のリズムが整った、動けるようになった」という声をいただいております。
私はできるだけ長くこの「ONLINE当事者もくもく会」を続けたいと思っています。そして、この「会議アプリを使った困りごと当事者のためのもくもく会という形式」が広がれば良いなと思ってこのホームページを作りました。「孤独だ、動けない、生活が滅茶苦茶」で困ってる人はたくさんいるはずです。
費用はスカイプを使えば無料です。運営は毎日定時にSkypeのコールをして、気分体調の報告と振り返りをすればよいだけです。お話系の自助会ではないので、司会進行のプレッシャーもありません。参加するにしても話さなきゃいけないプレッシャーは少しですみます。運営も参加もスマホを通せば、外で働いていても、自宅で働いていても、無職で自宅にひきこもっていてもどこにいてもできます。あらゆる意味でとってもお気軽な会です。

お気軽なご参加と模倣を

この会が自身の困りごとに何らか役に立つと思われるなら、ぜひお気軽にご参加ください。また、困りごとの当事者が当会の形式を真似て、困りごととのうまい付き合い方のひとつに加えていただけたら望外の喜びです。

2020/9/19 主催・キタハラ